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ジプシーからの恩恵

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先日みた映画『パプーシャの黒い瞳』で、ジプシーのある女性詩人の生涯が描かれたのだが、この映画から、以前、このブログでガルシーア・ロルカについて書いたとき、彼の『ジプシー詩集』の中の詩についてふれていたことを思い出した。(2012/03/21のブログ)

スぺインのジプシー(ヒターノ)の音楽であるフラメンコは、随分と若い頃から親しんできた。1年間ほどフラメンコギターを学んだこともあるが、最近、フラメンコ音楽をずっと聴いていなかった。ロルカの詩集をあらためて開いてみると、たとえば、「月よ、月よのロマンセ」という詩の中で、ジプシーを「鍛冶を行う民」として語っている。つまり、ロルカのみたジプシーは「火の民」、「金属の民」であったのであり、農耕民とは異なる人びとであったことがわかる。

日本ではさすがに、ヨーロッパで出会うようなジプシーたちに巡り会えないが、わたしがポルトガル滞在中、ポルトガル南部への旅の途上でジプシーたちの姿を幾度か目撃した。日本にも昭和30年代くらいまでは、サンカと呼ばれる山の民が暮らしていたようだが、現在、その末裔たちの行方についてはわたしもよくわからない。

ジプシーのような辺境に暮らす民から、わたしは、フラメンコの音楽のように多くの恩恵を受けていることを改めて気づかされる。フラメンコだけでなく、音楽に突出した才のあるジプシーたちの様々な国の中で演奏される音楽に耳を傾けてみたい衝動にかられる。その中でも、現在、ジプシー・ブラスに最も興味がある。

*「ジプシー」という言葉は、差別的含意があるとされる見解があるが、特に日本においてこの言葉を差別の対象とすることはあたらない、ということ。また、様々な国により自称、他称共様々な言い方があり、現在、それらを総称する言葉として、「ジプシー」という言い方は妥当であるという見解もあるとのこと。よって、わたしはこの見解にたち、「ジプシー」という言葉を使うことにした。
by kurarc | 2015-04-16 20:48 | Spain