春田俊郎先生の著作

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今頃の季節になると、夏山を思い出す。特に、山岳部に入った高校生の頃である。わたしの高校の校長であった春田俊郎先生は、国際的な蝶の研究者であったが、さらに、登山のスペシャリストでもあった。

高校3年生のとき、高校生ではかなり難度の高いと思われる北岳バットレス(第4尾根)を登ることを決めたときに、校長室に相談をしにいった。春田先生は、ひとこと「いってらっしゃい、いってらっしゃい」。こんなことをいってくれたのは、多分この校長だったからだろう。

その春田先生は、何冊もの著作を出版されていることを今さらながら知り、2冊手に入れた。『植物は不思議がいっぱい』と『自然界83の謎』(共にPHP文庫)である。

春田先生の自然に対する好奇心がそのまま著書になったような内容で、もっとはやく知っていればよかったと後悔している。先生は、いわゆるエコロジストの先駆けといってよい方。それも、フィールドワークを通じて、実践を重視した。先生の蝶のコレクションは、千葉県立中央博物館に春田コレクションとして展示してあるようなので、今度是非訪ねてみたいと思っている。

先生は、1996年にすでに他界されていた。今年のお盆は、肉親だけでなく、世話になった方々でありながら、もう会うことができなくなった方々を忍ぶ時間にすることにした。

*『自然界83の謎』の中に、「62 ネコとイネー人手を加えすぎると自立できない」という章があり、この二つの動物と植物が、人間なしには生きられないものとなってしまったことを述べている。米を一生懸命につくっている農家の方には申し訳ないが、イネの生命力は人間が手を加えることによって、ことごとく弱体化したのである。春田先生は、「野生のたくましい力を残しながら利用できる品種をつくることを忘れていた・・・」と述べている。
そうした米をおいしい、おいしい、と食べている人間とは一体なにものなのだろうか?
by kurarc | 2015-08-14 11:05