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岡倉天心著『茶の本』

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天心の『茶の本』を読むのははじめてのこと。読みはじめて、その第1章に驚いた。茶のいわれ、といった内容からはじめるような俗な導入はこの本では後回しになっている。翻訳は桶谷秀昭氏により、英文も収録されている。

第1章は、「THE CUP OF HUMANITY」と題されている。桶谷氏は「人情の碗」と少し古くさい翻訳を与えているが、この第1章は、西洋と東洋の比較や西洋を批判的に述べた内容であり、天心の東洋人としての自覚と西洋に対する本音を隠すことなく表明している。

天心は言う。「西洋人は、日本が平和のおだやかな技芸に耽っていたとき、野蛮国とみなしていたものである。だが、日本が満州の戦場で大殺戮を犯しはじめて以来、文明国と呼んでいる。」と。

天心の言うように、日本はこの西洋人の言う真の「文明国」になろうとしているようだ。天心も言うように、わたしも、技芸に耽る野蛮人でいることを望むが、一体どうなるのだろう?現在でも、西洋人は「文明国」になる日本を喜ぶのだろうか?
by kurarc | 2015-09-15 23:37 | books