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Jacques Perrin(ジャック・ペラン)

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このところ観直した、また初めて観た映画の中に、偶然共通する俳優が登場した。Jacques Perrin(ジャック・ペラン)である。映画は、それぞれ新しいものから観ていったので、彼は、反対に年長者から若者へと遡っていったことになる。三つの映画とは、『美しき運命の傷跡』(2005)、『ニューシネマパラダイス』(1989)、そして『ロシュフォールの恋人たち』(1967)。

この中では、『ニューシネマパラダイス』だけは、何度も観ていたので、彼の印象はこの映画によってかたちづくられていた。よって、『ロシュフォールの恋人たち』のマクサンス役がペランだとはじめは気づかなかった。

若いときの存在感の希薄だが、爽やかな演技と、歳をとってからの重厚な演技を楽しむことができるのは、俳優を生涯の職業としているペランのような才気ある俳優がいなければならない。たまたま、彼の演技を現在から過去へと遡ってみることになったが、そこに感じられたのは、彼が現在から過去へと一つの線で結ばれるというよりは、全く別の人格を演じているという多面性であった。こうした経験は、たとえば、『いつも二人で』と『ビッグフィッシュ』でのアルバート・フィニーにも感じた。

映画のおもしろさの一つである時間がもたらす表現者の変化は、常に成功するとは限らないだろうが、名優と言われる俳優は、こうした時間がつくる変化を意識し、役づくりに利用しているはずである。歳をとることによって、体形や表情までが若いときとは異なりながらも、それを武器にして演じるのだろう。ペランのように変化していく俳優の方が断然おもしろいと思う。変化することを恐れる必要はないのである。(上:『ロシュフォールの恋人たち』のペラン、下:『ニューシネマパラダイス』のペラン)
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by kurarc | 2015-09-24 22:14 | cinema