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建築家ブルーノ・タウトの日記 データベース化の準備へ

わたしは大学院修士課程で、建築家ブルーノ・タウトと日本の近代建築史との関係をテーマとして取り上げ、修士論文にまとめた。29歳のときである。社会人になってから大学院に入り直したので、かなりの歳になってから修士論文を書くことになったが、ちょうど30歳を前にして、20代を総括するような論文になったように思う。幸い、この論文は、1991年度日本建築学会の優秀修士論文賞の一つに選ばれた。審査員に恵まれたということもあるが、わたしはこの受賞を確信していたため、受賞の発表がある前に、発表はいつになるのか職場から学会に2回くらい問い合わせたことを記憶している。

しかし、一点悔いが残っていた。それは、タウトの日記を当時Lotus1-2-3というソフトでデータベース化し、論文の資料として付帯したかったのだが、およそ半分入力した段階で頓挫してしまった。受賞できたことは喜ばしかったが、わたしの中でこの論文は未完である、という意識はずっとぬぐい去ることができなかった。

それからおよそ25年が経過してしまった。この時間なにもしなかったのは、わたしの怠慢としか言いようがないが、ブログのような仕組みができたこともあり、ブログという機能を利用し、タウトの日記をデータベース化することはできないか、ということを思いついた。ブログには検索機能もついているから、彼がどのような建築家に会ったか、たとえば、建築家の吉田鉄郎の名前で検索すれば、タウトが日本滞在中の3年半、いつ彼に会ったのかが瞬時に検索することができるようになる。

タウトの日記(正式には『日本 タウトの日記』全3巻、篠田英雄訳、岩波書店)を出版している岩波書店にこのことを問い合わせると、快諾していただいた。ブログの内容の中で、出展をあきらかにすれば著作権の違反にもならないということである。

できれば今年中にもブログを立ち上げ、仕事の合間にデータベースをこつこつとつくっていきたいと思っている。完成までにどの程度かかるのかわからないが、まずは、来年中を目標にしたいと考えている。このデータベースが完了すれば、わたしの修士論文は25年という年月をまたいでやっと完結することになる。

*データベースをつくる目的は、タウトの日記の分析という目的もあった。その作業は、タウトに興味を持つ研究者の方に任せることにしたい。
by kurarc | 2015-10-21 21:36 | architects