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小沼純一のルグラン論からナディア・ブーランジェへ

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小沼純一氏の著書『バカラック、ルグラン、ジョビン』は、タイトルの通り、3人の音楽家についての随想といった体裁の書物。この中のルグラン論は、大半が映画『ロシュフォールの恋人たち』とその映画音楽を担当したルグランの解説になっている。

小沼氏にしては珍しく、ある意味理性を欠いたルグランに対するオマージュのような文章が続き、最後にはルグランに対する批評めいた文で締めくくられている。

小沼氏の批評の中心は、ルグランの器用さに向けられたものである。あらゆることに挑戦するルグランは、中心を持たず、中心が何であったのかを忘れるほどの活動を続けたと分析する。

しかし、音楽を器用とか不器用とかで語ってよいものかどうか、わたしは疑問に思われる。もちろん、小沼氏はルグランを高く評価しているが、もう少し、音楽に即した分析が必要だろう。

ピアソラと同様、ルグランが担当した映画音楽を含む映画はすべてみてみたい。そして、気になることがもう一つ。ピラソラにしろルグランにしろジスモンチにしろ、彼らが師事した音楽家がフォーレの弟子といわれるナディア・ブーランジェ女史であるということ。以前から、わたしの興味を持つ音楽家たちの多くが彼女に師事していることは知っていた。ちょうど、彼女の書籍が今年出版されたので、早速図書館に予約をする。

わたしの音楽の好みの謎が彼女を通じて理解できそうな気がするのである。
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by kurarc | 2015-12-05 17:46 | music