建築家 稲冨昭

来月の末に国際基督教大学(以下ICUと略)内の建築物を見学することになったため、その予習をと思い、国際基督教大学の建築顧問を務めた稲冨昭(いなどみ あきら)氏の作品集を都立中央図書館に見に行った。

久しぶりの都立中央図書館は少し様変わりしていた。検索のためのPCが多数1階ホールに配置されたり、玄関ホールには小さなカフェが開店していた。しかし、いつも思うのだが、これが東京都内で最も大きい都立の中央図書館なのかとがっかりするのである。立地はよいが、図書館自体に新鮮さがないし、内部の家具も安いものばかりが使用されている。端的に言えば、あかぬけない図書館なのである。吉祥寺か三鷹周辺に都立の中央図書館の分館ができてくれれば、と思う。

閑話休題、稲冨氏がICUの顧問建築家であった、ということは最近知ったばかりである。また、鎌倉のニの鳥井前近くにある鎌倉雪ノ下教会の設計者であることも初めて気がついた。この教会は鎌倉に住む以前から知っていて、優れた建築であるとずっと思っていたが、ICU内の建築を数多く手掛けた方と重なってくるとは思いもしなかった。

稲冨氏は、日本の大学で建築を学んだ方ではない。あの近代建築家の巨匠、ヴァルター・グロピウスのもとで働くという経験がある方である。ICUは、ウォーリズ、レーモンド、その後、稲冨氏という流れの中でキャンパス内の建築、及び計画が整備されたといってよい。

作品集を眺めながら驚いたことは、東京女子大学の学長を務められた物理学者、原島鮮氏の住宅を手掛けられていたことである。以前、このブログ(2012/04/14のブログ)でも書いたが、原島氏は、わたしが高校一年生のときに、取材を申し入れ、東京女子大の学長室でお会いした方である。わたしはその当時、図書委員の冊子のコラム記事を書くという名目で原島氏とコンタクトをとり、取材した訳であるが、実はその当時物理に興味をもっていたため、かなり私的な興味から取材したものだったのである。

帰りがけ、大久保のホーム正面に位置する稲冨氏の代表作の一つ、淀橋教会に立ち寄り、内部を見学しようとおもったのだが、ちょうど集会があり、その願いはかなわなかった。作品集の一部をコピーし、その文章はまだ精読していないが、キリスト者としての建築家であることから、その宗教と建築がどのように連関しているのか知りたいところである。

それにしても、いつも書くように連関とは偶然なのか必然なのだろうか。鎌倉から原島氏へ遡り、そして、三鷹のICUへ、とわたしが16歳の頃から一つの線がひかれていたということなのだろうか?
by kurarc | 2016-02-28 20:19