ブログ 11年目へ

2006年4月9日にはじめたブログが、今日で丸10年を迎え、11年目に入ることになった。

当初は、「・・・です、ます。」調で書き、途中から「・・・である」という書き方に変化したが、その頃から書くことが習慣化してきた。語尾が変化したのは、書くことの重みのようなものを感じはじめたことが大きい。当初は備忘録としてはじめたが、徐々に何かを発想するためのメモのようなものに変化していったように思う。

10年もの間続けられたのは、あまり力まずに文章を書いてきたこと、文体のようなものを極力排除して、簡単に書くようにつとめたことによると思う。それでも、多分わたしの文体や文章のクセのようなものは自ずと生じてしまっているかもしれない。残念なのはブログに書けることはほんの一握りのことであり、その時代に興味をもっていたことをカバーできているわけではないが、おおよそその時代に興味をもっていたことはメモしてきたつもりである。

今後、どのようにこのブログが変化していくのかわからないが、ブログ名を「Archiscape」と名付けたように、様々な「・・・scape(景)」について書いていくことになるのだろう。ロラン・バルトが「incidents (偶景)」と名付けたような取るに足りないことを書いているようでも、書きたいという衝動で書いているわけで、わたしにとっては非常に大切なことになる。それが多くの人に共感できるものになっていないとしても、書き続けることになるだろう。

*LIXILの情報サイトに、最近「Archiscape」というわたしのブログと同タイトルのサイトができましたが、このサイトより、わたしのブログの開始は先になります。

*バルトの「incidents」は、バルト自身ロマネスクと呼び、彼が小説にかわるようなエクリチュールをさがす実践的な試みであった。(『偶景』「解題に代えて」花輪光著より)

by kurarc | 2016-04-09 09:36