ビックス・パイダーベック

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和田誠と村上春樹共著による『ポートレイト・イン・ジャズ』という文庫本がある。その表紙を飾っている(上)のが、コルネット奏者のビックス・パイダーベックである。わたしは、この本ではじめてビックスの存在を知った。こうした伝説的なミュージシャンの音楽を、いまではyou tubeで聴くことができるからありがたい。彼のLPを手に入れるとしたら、もしかしたら何万円、いや何十万円とするかもしれない。

わたしは、村上春樹さんが絶賛するような言葉をここで書くことはできない。わたしが感じたのは、1920年代に活躍したというビックスのコルネットの音には、なにか安心感があるということ。こうした音を聴くことができる奏者は現在なかなかお目にかかれない。コルネットの親戚といってよい現代のトランペット奏者は殺伐とした音が多すぎる。そうした音はかっこよいのだけれど、あまり耳に残らない。

ビックスの音を聴いていると、夏祭りを体感しているときの幸福感のようなものを感じる。力が抜けていて、包容力のある音なのである。村上春樹さんの本はあまり読んだことはないが、このジャズに関する文章は信頼できそうである。
by kurarc | 2016-04-21 21:38 | music