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フランス的なるもの

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シュルレアリスム、映画、文学、音楽、語学等、このところフランスの文化と縁を切れない生活が続いている。自分では、そんなに意識している訳ではないのだが、興味のあるものがフランスとなぜか結びついてしまう。自分の中にフランス文化に対する興味が気がつかないうちに蓄積されていたのだと思う。

多分それは、初めての海外旅行のときに遡る。このブログでも以前に書いたが、初めてフランスを旅したときの印象がはなはだよかったのである。パリは異なる季節に訪ねたこともあり、その光景の変化に心が奪われた。南フランスでは、移民とみられる人々に親切にしてもらったこともある。2度目のパリでは、モンパルナスタワーに勤務するフランステレコムのサラリーマンと列車の中で親しくなり(会話は英語で行った)、名刺を渡され、是非訪ねてくるようにと言われ、別れた。(モンパルナスタワーへは行かなかった。かれは、わたしが、ル・コルビュジェの建築に詳しかったことに感激してくれたようだった。)

大学時代、いわゆる「現代思想」と言われるものがもてはやされたが、その中心はフランスの哲学者であったし、ベンヤミンの論考にも、パリのパサージュを主題にした『パサージュ論』があり、フランスを知ることは、必須であったこともある。最近は、特に映画に触発されている。映画から文学へ、そして、フランス語を理解できるようにしようという方向へ進んでいった。

最近、レーモン・クノー(映画『地下鉄のザジ』の原作者)の『文体練習』を図書館から借りてきたが、こうした書物のもつフランスのエスプリや、頭の中の固定観念を転倒させてくれる多くの作品や仕事に巡り会えることが、フランスにひきつけられる最大の理由のような気がする。そして、そうした体験が気軽にできる下地が日本にはすでに存在している、ということ。つまり、フランス文化との付き合いがいまや成熟してきたということの証しなのだと思う。

批評的精神を忘れず、頭の中を明晰にしてくれるような「フランス的なるもの」に当分、お世話になりそうである。
by kurarc | 2016-06-27 21:09 | France