日常の中のデザイン12 木製の浴槽

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吉田鉄郎著の『日本の住宅』をパラパラとながめていると、わたしが子供の頃使っていた木製の浴槽のアクソメ図が掲載されていた。

形は小判型で、浴槽は大小二つに分離され、大きいスペースは身体をつかるもの、いわゆる浴槽として使い、もう一方の小さいスペースは、当時は「上がり湯」といっていたが、顔を洗ったり、浴室からでるときに身体を流すお湯として使っていたように記憶する。

材質は定かではないが、多分、ヒノキであったと思う。今考えてみると、随分と贅沢な浴槽であったのだが、当時は団地でも使用されていたようで、あたり前のしつらえであった。
 
木製の浴槽は手入れが大変なことは知られている。一日の終わりに浴槽の水分を拭き取るくらいのことはしておかなければならない。この小判型の浴槽はかなり深かったから、母親がそうした手入れをしていたのかどうか、今となってはわからない。

わたしはカラスの行水の方で、温泉好きと言う訳ではないが、たまには木製の浴槽でゆっくりと風景でも楽しみながらお湯につかりたいと思うこともある。できれば、この小判型の浴槽に再びつかって、子供の頃の記憶をたどってみたい。
by kurarc | 2016-07-03 22:44 | design