映画『夜顔』とドヴォルザーク交響曲第8番 第3楽章

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マノエル・ドゥ・オリベイラ監督の映画『夜顔』の中で、ドヴォルザーク交響曲第8番がテーマ曲のように使用されている。この交響曲は、第3楽章を除き、気のぬけたような曲だが、第3楽章だけは、他の楽章と異なり、曲の特質が際立っている。

映画『夜顔』のなかでは、この第3楽章がたびたび引用され、この映画の内面の表現を代弁しているかのようである。

映画『昼顔』の続編として製作されたこの映画の主題は、「大人の過去について」といったことにしておくが、その微妙なテーマをミシェル・ピコリが好演している。そして、この映画の情動をドヴォルザークの交響曲第8番第3楽章が見事に表現している。

映画では、たびたび俯瞰するように映し出されるパリの風景、夜景が映し出される。その風景は、わたしの中には記憶にないパリである。その不思議な風景、夜景とこの映画の主題がどのように連関しているのか、いまだに理解できないが、この映画は大人にしかわからない映画であることは確かである。
by kurarc | 2016-08-12 22:35 | music