子供用の椅子

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子供用の椅子のデザインを考えている。子供用といっても、小学校へあがる前の3〜5歳の子供用椅子である。

小学生の頃使用していた椅子(上写真のような椅子)は今でも強く印象に残っているが、重くてごつい椅子であった。一点だけよかったのは、それが無垢の材料でつくられていたことくらいで、多くの生徒はクッションを持参して、お尻の痛さをしのいでいた。

現在は、合板とスチールパイプでつくられた椅子を大半の学校が採用していると思うが、この椅子も長時間座ることに耐えられるようなデザインではない。以前もこうした椅子についてこのブログで書いたと思うが、こうした椅子で机に向かって勉強しろ、というのは拷問に近い。

一方、デザイナーたちは、今まで子供用の椅子を真剣に考えたものはごく少数のように思われる。椅子の作品集をみても、大人の椅子ばかりであり、子供用の椅子で名作といわれるようなものは思い浮かばない。商品化すれば、保育園ほか多くの需要があると思うが、こうした備品に多くの経費をかけられるような保育園も皆無に近いのだろう。

子供用の椅子を考えるにあたり、まず驚くのは、そのスケール感である。座高はおよそ200mm。大人用椅子のおよそ1/2であり、このスケール感をつかむのには苦労する。日常的に、大人たちのスケールでものを見ている証拠であり、反省すべき点が多い。世の中のすべてのものは、通常、大人たちのスケール、ものの考え方でつくられている。そうした視点を転換する上においても、子供用の椅子を考えることは役に立つ。

by kurarc | 2016-08-24 14:32 | design