『線文字Bを解読した男 マイケル・ヴェントリスの生涯』

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『線文字Bを解読した男 マイケル・ヴェントリスの生涯』(アンドルー・ロビンソン著、片山陽子訳、創元社)を読み始めた。ヴェントリスが建築家である、ということに興味をもったからである。

読み始めて、すぐに思いもかけないことに出くわした。彼の母はポーランド系の女性であり、離婚後、ヴェントリスをつれて住み始めたのが、「ハイポイント」という著名なモダン・ハウジングであったということである。ヴェントリスはここで育ち、線文字Bもここに住みながら解読したのだという。

「ハイポイント」を設計したのは、イギリスで活躍したリュベトキンという建築家である。ロシアから亡命し、イギリスでテクトン(TECTON)という建築事務所をつくった。このテクトンで設計した著名な仕事が、ロンドン動物園のペンギンプール(とゴリラハウス)である。このプールはわたしもポルトガル滞在中、ロンドンに旅行した時、見学した。リュベトキンはWikipediaによれば、一時ポーランドで建築教育を受けているので、ヴェントリスの母親となんらかの接点があったのかもしれない。

イギリス内のハウジングはかなり見学したが、この「ハイポイント」の見学は眼中になかった。今となっては悔やまれる。一つの本から思いがけず、モダン・ハウジングの傑作へと導かれることになったが、これも運命としか言いようがない。リュベトキンを注目するようにとの神のお告げか? 

by kurarc | 2016-12-14 21:07 | books