”Rua Dos Remedios”  ポルトガルのボサノヴァ

アナ・マリア・ヨペクの音楽を相変わらず楽しんでいる。彼女のリスボン(ポルトガル)を主題にした『SOBREMESA』(日本語で、デザートの意)は、なかなかよい出来のCDである。

以前にもこのブログで取り上げたCDの1曲目 ”Rua Dos Remedios” のアレンジが最近特に気になっている。このアレンジの何が気になるのかというと、「ポルトガルのボサノヴァ」と言える曲に仕上がっていると思えることである。

この曲は6拍子だが、これを4拍のギターのストロークで均一に分割している。ブラジルのボサノヴァにみられるシンコペーションのリズムではなく、均質な、plainなリズムで曲を分割している。そのアレンジがポルトガルらしいボサノヴァを形づくっていると思えるのである。

均質に分割しているからといって、そこにシンコペーションを感じられないかというとそうではない。6拍子と4分割というズレが独特のシンコペーションを感じさせてくれる。よって、均質なリズムでありながら退屈しない。

ポルトガルの音楽は、保守的なものが多いが、アナはそうした慣習に新しい風を吹き込むことに見事に成功したといってよいだろう。

by kurarc | 2017-01-08 21:06 | music