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オムニバス映画

仕事が忙しくなってきた。このようなときには映画を楽しむ余裕すらなくなってくる。しかし、幸いオムニバス映画というものがある。15分程度の物語りをいくつか収めた映画だから、ちょっとした時間があれば映画を楽しむことができるのだ。

アントニオーニ監督+ヴェンダース監督の『愛のめぐりあい』の中の第4話「死んだ瞬間」は、何度みたかわからない。この映画が好きなのは、舞台がエクサン・プロヴァンスであることが大きい。初めてヨーロッパ旅行をしたとき、わずか2日立ち寄っただけの街であるが、この街がわたしの中で大きな記憶に膨れあがっているからなおさらである。先日も久しぶりに見返したが、この映画の音響が気になった。

この映画は、昼から夜にかけての半日を描くが、はじめに小鳥のさえずる音からはじまり、泉の水の音、教会内のミサの音楽(音響)、雨(雑踏の音)、雷から最後に映画音楽を導入して終わる。音の展開とシーンの展開が完全に計算しつくされている。イレーヌ・ジャコブが階段を駆け上がりながら流れる音楽はいつ聴いても美しい。(このシーンも、階段を上がるという上昇性と彼女が明日、修道院へ入る身であることが重ね合わされていることはあきらかであろう)

忙しいときには優れたオムニバス映画をいくつか用意しておけば、映画熱を少しだけ冷ますことができるのである。

by kurarc | 2017-01-11 23:13 | cinema