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アアルトの椅子 No.66

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新しい事務所の椅子を物色に、「sempre」というインテリアショップに行く。ここで、アルヴァ・アアルトの椅子No.66(上写真、sempreのHPより借用)の座り心地を久しぶりに確かめてみた。このデザインと背の高さの異なるNo.65があるが、こちらも確かめるべきであったが、今回は確かめていない。

アアルトの椅子というだけで、購入する方々も多いだろう。しかし、正直に言うと、座り心地はよくはなかった。アアルトの椅子全般に言えることだが、椅子を成立させる構法は独創性があるが、その部分のみに利点があるだけで、椅子としての肝心の機能が追いついていないように思う。

以前、ウェグナーのYチェアの神話性について書いたが、ウェグナーの椅子は最低の座り心地は確保されている場合が多い。そこはアアルトの椅子との大きな違いである。アアルトの椅子はクッションなしでは使用できない。平坦な円形上の座のデザインであり、座り心地といったもの放棄して成立している椅子なのである。

こうしたコンセプトはやはり彼が建築家であることと無関係ではないであろう。構築物として家具を完成させることが最も大切であり、座り心地を求めることは構築物として、あるいは造形として弱いと感じてしまうのかもしれない。

このあたりは微妙な問題である。しかし、わたしは、造形と座り心地といった対立する要求を満たすようなデザインを考えるべきだと思う。特に椅子のように身体に接する道具はなおさらだろう。椅子は、衣服のようなものに近いと思う。着心地の悪い服をわざわざ着るだろうか。(それでも、着たい、という人は多いのかもしれないが・・・)



by kurarc | 2017-02-04 18:28 | design