映画『LA LA LAND』

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普段はアカデミー賞をとったからといって、映画を観に行くようなことはないが、この映画『LA LA LAND』は特別である。この映画が、ジャック・ドゥミの映画『シェルブールの雨傘』や『ロッシュフォールの恋人』からインスパイアされたミュージカル映画と知ったからである。

映画の日、夜仕事を早めに終わらせ、地元の映画館へ脚を運んだ。結論から言うと、エンターテイメント映画としては申し分ないできばえであり、音楽もよかった。アメリカ版のシェルブールの雨傘、及びロッシュフォールの恋人と言える内容だが、それだけではない。わたしのまだ観たことのない映画のアレゴリー、引用に満ちている。(詳しくはパンフレット参照)

監督のデイミアン・チャゼルの相変わらずのジャズ好き、そして映画好きがこれでもかと登場する映画であること。そして、ロサンゼルスという都市の魅力を引き出したことなど、古典的映画をよく研究した上で、この映画を製作したことがよく理解できて、チャゼル監督の映画に対する誠実さ、謙虚さに好感が持てる内容になっている。

映画が公開されてまだ日が浅いので、あまりストーリーについてはふれないが、この映画がアカデミー賞の作品賞を逃したのは、きっとラストシーンの詰めの甘さからだったのではないか。残念なのはその点だけである。少なくともシャルブールの雨傘に匹敵するようなラストをつくれたのなら、この映画は作品賞も受賞できたのではないか?

それにしても、わたしはもう一度、今度は少しスクリーンから距離をとって観たいとおもった。クローズアップが多かったこともあり、それにしては少し前で観すぎてしまったからである。あれこれ言ったが、お薦めの映画であることに全く異論はない。

*この映画にはかなり厳しい批評も見受けられる。このチャゼル監督の目指しているのは、きっとジャック・ドゥミのような品のある映画ではなく、徹底したエンターテインメント重視の映画だろうから、そもそも批評の対象に取り上げられる映画と言えるのかどうか?映画を観ていて、楽しいか、楽しくないか、そのどちらかの映画であり、楽しい映画に出来上がっているのだからそれでよいと思う。逆に、わたしはそうした単純な、直截的な映画をつくれるチャゼル監督の力量こそ評価したい気がする。

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by kurarc | 2017-03-02 22:14 | cinema

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