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リスボン大地震からデモクラシーへ

図書館から『トクヴィル 現代へのまなざし』(富永茂樹著、岩波新書)を借りてきた。イギリスがEUから脱退することが正式に決まり、トランプが大統領に就任した。世界が大きく変化しようとしていることは明白である。大きくは、17世紀後半から芽生え出したデモクラシーが大きな変曲点を迎えていると思われる。

そもそもデモクラシーとは何なのか?そのことをもう一度考えるために、この本を借りてきたのである。この新書の最後に添付された略年譜を見ると、興味深いことに、1739年から1911年までのトクヴィルに関する動向と関連事件が対照的にまとめてあり、1755年にはリスボン大地震が記され、この同じ年にルソーの『人間不平等論』が出版されていることも記されている。

現在進行している世界の状況を冷静に考えるためには、このリスボン大地震の時代から19世紀、20世紀初頭までのデモクラシーの推移を押さえておくのが良いのではないか、そのためにはトクヴィルの経験を復習しておくのが良いのではないか、と思いこの本を借りてきたのである。

トクヴィル(1805−59)は、デモクラシーの未来を当時のアメリカやイギリスの状況を踏まえて考察し、さらに自国フランスの革命による社会と政治の変容を熟思した思想家である。わたしも彼の思想に詳しくはないが、この本の中には、18世紀後半に出現した群集やその舞台となる都市の意味などが考察されているし、フィリップ・アリエスの『子供の誕生』といった書物も登場して、大学時代に少しかじった「家族」や「子供」の問題にも触れている。

現在は、デモクラシー、さらに、広く「モダン」という時代を復習すべき時なのだと思う。

by kurarc | 2017-03-21 21:29