映画『HEAT』 音楽から

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稀なケースだが、映画を観る前にその映画音楽を先に把握して、その後映画を観る、ということがある。日本で公開されていない映画の場合は、その音楽だけしか把握できないものもある。

映画『HEAT』は、まずブライアン・イーノとU2による"PASSENGERS" というユニットの音楽に興味を持ったことから、この映画を知り、観ることになった。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの事実上、初の顔を合わせた共演映画である。広義のフィルム・ノワール的映画といってよいものだと思うが、なかなか楽しめた。

アル・パチーノ(警部)とロバート・デ・ニーロ(ギャング)との対決がどのようなかたちに収束していくのか、この映画ではそれが見ものとなるわけだが、ラストシーンは絵になるシーンで終わる。

音楽から入った映画であったが、その音量はかなり映画の中で控えめに使用されており、大きく主張することはない。"PASSENGERS"のユニットによる音楽よりも、クロノスカルテットとテリエ・リピダルのギターの方がこの映画では重要なシーンを演出している。特にテリエ・リピダルのギターはこの映画に官能性を付加することに成功している。

映画と音楽、二つをどのように設定するのか、このコンセプトを明確に位置付けた映画でなければ、映画は成功しないと思う。映画『HEAT』はそうした映画と音楽という面からのみ考察しても、相当に興味深い作品に仕上がっている。わたしにはまだ映画と音楽の連関という二つを分析できる力量はないが、今後も注視していきたい領域である。


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by kurarc | 2017-11-19 10:57 | cinema

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