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二つの音のボサ・ノヴァ "CORCOVADO"

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ギタリスト鳩山薫さんによる『アントニオ・カルロス・ジョビン ボサ・ノヴァ名曲集』という名著(名譜面集)がある。ギターの譜面はいい加減なものが多いが、この11曲のジョビンのギター曲が収録された譜面集は、ジョビンの音楽の繊細なコード進行を再現してくれている。選択されたコードも的確であり、コードの流れも優れたギタリストならではの滑らかな進行を表現している。多くがジョアン・ジルベルトの名盤『ジョアン・ジルベルトの伝説』のコピー譜でもあり、ジョアン・ジルベルトのギターを学ぶための譜面集としても優れている。

この4、5年、トランペットの方へ意識が集中していて、長い間ギターを弾いていなかったのだが、最近、ギターのリハビリをはじめている。そのリハビリに選んだのが、鳩山薫さんによる『アントニオ・カルロス・ジョビン ボサ・ノヴァ名曲集』の"CORCOVADO"(コルコヴァード)や"平和な愛"という曲である。

コルコヴァードのメロディーは、二つの音の繰り返し。実にシンプルだ。最初は、「ミ」と「レ」。次に「ソ」と「ファ」。サビまでは2音の繰り返しが続く。しかし不思議なことだが、まったく貧しいメロディーという感じがしない。それは、サビに入り、思いがけない展開をするから、ということもあるが、ジョビンはワン・ノート・サンバといった曲でもわかるように、この曲も、最小限の音の選択で魅力的なボサ・ノヴァをつくろうとしたことは明らかだろう。

ギターとトランペットは構造の異なる楽器であるだけに、相補的で練習していて楽しい。この二つの楽器を同時にマスターすることがここ数年の大きな目標の一つである。



by kurarc | 2017-11-23 20:59 | music