陳凱歌監督 映画『さらばわが愛/覇王別姫』

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このブログで映画をよく取り上げるようになってきた。映画をメインにするつもりではないのだが、最近、よい映画にめぐり合うことが多く、必然的にブログに登場することが多くなったということである。

陳凱歌監督の映画『さらばわが愛/覇王別姫』を観るのは二度目(20年ぶりくらいだろうか)であるが、最近観た映画の中ではその出来は突出している。カンヌのパルム・ドールを受賞するのもうなずけるし、これほど人を泣かせる映画も珍しいのではないか。わたしは最初から最後まで涙が止まらなかったくらいである。

京劇の役者が中国の近現代史をどのように生き抜いてきたのかを表現した映画であり、途中に日中戦争時の時代も含まれる。この映画では、日本を中傷する場面はあるが、かといって台詞の中に日本兵を弁護するような場面も含まれている。それは陳凱歌監督の考えなのか、原作がそうなっていたのか定かではない。とにかく、原作を読みたくなった映画である。

中国映画は、1980年代によく観た。チャン・イーモー監督の『赤いコーリャン』に衝撃を受けてからであったと思う。その後、『芙蓉鎮』、『紅夢』他やウォン・カーウェイ監督の一連の映画などを観た後に、この映画を観たのだと思う。映画の中の色彩が強烈に印象に残っていて、また観たいとずっと思っていたが、台湾、韓国映画などに興味が移り、ずっと中国映画から遠ざかっていた。わたしは、特に天安門事件以後、中国映画への興味がうすれていったと思う。

しかし、この映画を見直して後悔している。『悲情城市』、『恋恋風塵』といった台湾映画と共に、わたしが観たアジア映画のベスト10に入るといってよいだろう。まさに圧巻と言える映画。この映画によって、ずっと遠ざかっていた中国にまた興味が湧いてきた。

*中国文学者の藤井省三氏はこの映画を優れた映画であると認めながらも、かなり批判的に眺めているようだ。どのような視点なのか気になる。

*来年2月には、陳凱歌監督による映画『空海』が封切られるという。
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by kurarc | 2017-11-26 20:33 | cinema

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