”ヴィラ=ロボス”は忘れた頃にやってくる

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東京建築士会の多摩南部支部立ち上げの幹事会の帰り、寒さ凌ぎのため、調布のパルコのエントランス内で吉祥寺行き最終バスが来るのを待っているとき、パルコ内からエイトル・ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第5番アリア(ギターによる)が流れてきた。

この曲はギターで奏でられるのもよいが、ハーモニカ奏者ロバート・ボンフィーリオの演奏がよい。彼のヴィラ=ロボスの曲を集めたCD(上)を買ったのはいつの頃だっただろう。多分30年近く前だが、このCDは一生持ち続けたいCDの内の一つである。ヴィラ=ロボスの曲を熱心に聴き始めたのは高校生の頃からである。この作曲家との出会いがブラジル音楽との出会いであったし、後にポルトガル語を学び始めるきっかけの一つとなった。ポルトガル滞在中にブラジルのリオ・デ・ジャネイロに行こうと思ったのは、彼のミュージアムを訪ねたかったからであった。

高校生の頃、悲しいことが続いたときにはヴィラ=ロボスの曲を聴いて、励ましをもらった。わたしを支えてくれた作曲家であり、その作曲家のルーツを訪ねたかったのである。また、そのミュージアム館長がわたしの好きなギタリスト、トリヴィオ・サントス(下)であったこともある。

彼の曲を聴くと心の中が浄化されるような感情が生まれる。頑張れと励ましてもくれる。ふと入ったデパートのエントランスで彼の曲と出会うとはなんと不思議な縁であろうか。ヴィラ=ロボスの曲はわたしの生活にとってなくてはならないものになっている。

*このCDでは、「ハーモニカ協奏曲」が圧巻。その他、「喚起」、「黒鳥の歌」、「昔のサンバ」など名曲が数多く収録されている。
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by kurarc | 2018-01-17 23:24 | music