人気ブログランキング |

再び「風景学」へ

b0074416_21421999.jpg
地元の建築家を中心として、「たてもの・まちなみ・景観を考える市民の会」の活動をはじめて3年が過ぎようとしている。先日、武蔵境の北口から玉川上水へ、そして再び、武蔵境駅まで戻ってくるおよそ3時間あまりの行程を歩いた。特別、優れた建築があるわけでもない街を歩くのだが、かといって、何もないかというとそうでもない。玉川上水には、品川上水と呼ばれた取水口の痕跡があり、三鷹の牟礼一体はその水で、田畑が耕され、作物が育てられた。また、かつて武蔵境から中島飛行機株式会社へと伸びていた鉄道跡は公園として整備されていた。軍需産業都市としての痕跡も、うっすらとその面影を残していた。

このような何気ない都市の様相を捉える方法はないか、と考えたとき、1980年代頃に「風景学」が台頭して、建築学の分野でも議論になったが、その方法をもう一度、実践的に活用できないか、ということを思いついた。わたしの手元には、中村良夫氏の数冊の本が眠ったままになっていた。2008年にはラジオ講座でも「風景からの町づくり」と題された中村氏の講座があり、そのテキストも手元にあった。

風景をキーワードにした著作は他にも、向井正也氏の『日本建築・風景論』や、内藤昌氏の『日本の町の風景学』、オギュスタン・ベルク氏の著作他がある。こうした著作が手元にありながら、その活用にはいたっていなかった。東京「郊外」の特性のないと思われる街も、よくよく観察すると「風景」、あるいは「地景」と呼んでよいものが捉えられるのではないか。曖昧な風景を記述する言語、方法、手法がほしいのである。

このあたりが今年の街歩きでの課題となる気がしてきた。まずは、中村氏の著作あたりを熟読することからか・・・

*このブログでも「地景」についてはいくつか書いてきた。その中心は「国分寺崖線」周辺の「地景」である。


by kurarc | 2018-01-25 21:37 | books