カミュ 晩年の土地 ルールマラン

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カミュは晩年、アルジェリアに帰還したとばかり思っていたが、晩年は南フランスのルールマランという街で暮らしたのだという。(旅するフランス語 2018年3月号より)

1985年にアルジェリアのアルジェを歩いた。アルジェリアへの旅は、オラン、アルジェ、ガルダイヤ、コンスタンティーヌが主に訪れた街である。今から思うと、アルジェは、アフリカというより、どこか地中海ヨーロッパの都市といった趣であったように思う。

カミュが交通事故で亡くなった後、鞄の中にあった原稿が『最初の人間』という自伝的小説として出版された。わたしはこの小説をもっているが、映画『最初の人間』に満足してしまって、未だに読んでいない。

訳者あとがきによれば、最初の人間とは、「経済的にも文化的にも何一つ引き継ぐものがなく、頼れる人間もいないままに自分一人で成長していく人間」であるという。もちろん、誰もが「最初の人間」にはなりえないが、カミュはアルジェリアへの移民としての父親を、また、その先祖を思い出しながらそのような言葉を思いついたのだろう。それは、貧しいアルジェリアに生まれ、知識人として成長したカミュが慎ましやかに語りたかった真実の言葉である。

それにしても、カミュが暮らしたルールマランとはどのような街なのだろうか?カミュの娘さんが、いまでもここで暮らしているという。3月の『旅するフランス語』が楽しみである。



by kurarc | 2018-02-19 23:26 | France