工房都市へ

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調布で東京建築士会多摩南部支部の設立総会があり、その総会の始まる前に、猿田彦珈琲調布焙煎ホール(上:猿田彦珈琲HPより転写)でエスプレッソを飲んだ。かなり待たされるが、エスプレッソは酸味のきいた珍しい味であった。

カフェの中には焙煎機が何台も設置されていた。カフェのデザインは売れっ子の建築家、デザイナーである谷尻誠さん。カフェの中に様々な場所をしつらえ、お客さんたちは、各々お気に入りの場所を見つけて、珈琲タイムを楽しんでいる。

カフェのデザインも優れているが、わたしが注目したのは、やはり「焙煎機が設置された場」である。ここはカフェでありながら、珈琲をたのしむための工房、あるいは工場である。

わたしの生まれた三鷹も、1960年代までは町工場が数多く存在した。わたしの実家もその一つであったが、1970年代になり、こうした町工場は郊外へと移転していき、その跡地は住宅へと変貌していった。

あれから50年近くも経過するが、都市はまた都市の中に工房、工場(こうば)を求めている。3Dプリンターの工房、洗濯を専門とする工房など、機械の進化、小型化とカフェのような慰安の場が都市の中でマリアージュされてきたのだ。考えてみれば、街の中に数多く存在する洋菓子店やパン屋も工房である。猿田彦珈琲調布焙煎ホールが新しいのは、工房の内部を隠さず、大胆に可視化しているということ。

こうした都市の変化を仮に「工房都市」と呼んでみようと思う。かつての「町工場」という泥臭い工場(こうば)から、都市の中で21世紀型の工場、工房型店舗が顕在化してきた。今後、どのようなタイプの工房がうまれてくるのだろうか?

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by kurarc | 2018-02-24 10:00 | architects