日常の中のデザイン20 クリステル社の鍋

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料理研究家の有元葉子さんが、15年ほど前に出版した本、『有元葉子の道具選び』を手に取った。彼女がどのような道具で料理をするのか気になったからである。

最初にまな板の紹介があり、そのすぐあとに紹介されているのが、フランス、クリステル社の鍋である。鍋は台所ではかさばり、置き場所に困ることが多いが、クリステル社の鍋(上写真)は入れ子状に収納することができる。この鍋の廉価版が日本ではコマーシャルなどで紹介されているが、クリステル社の鍋がすぐれているのは、持ち手のデザインである。持ち手のハンドル、クリップが取り外しできるようになっていて、それぞれ、調理の仕方に従って使い分けができるように工夫されていることである。持ち手(長い柄)がないため、オーブンにもそのまま入れることができるデザインにもなっている。

好みの道具が見つかると、料理が目的なのに、いつの間にか、その道具を使いたいがために料理するという目的の転倒がおこる。音楽なども同様のような気がする。わたしの場合は、トランペットという道具から離れられなくなったがために音楽をやっているところもある。これは、あまり好ましいことではないかもしれないが、道具とは行動を促す媒介、相棒なのである。

最初に紹介されているまな板も興味を持った。オリーブのまな板だが、その形状が長方形ではなく、木を切ったカタチのままなのだ。日本のまな板は長方形、または正方形に近い形状がほとんどだが、考えてみれば、その形状にこだわることはない。しかし、こうした自由な形状のまな板を使う場合は、かなり余裕のあるキッチンが必要になるだろう。

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by kurarc | 2018-03-08 22:19 | design

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