映画『いそしぎ』と映画音楽

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映画音楽が先行して、その映画を観ていないという場合がある。映画『いそしぎ』もその典型的なパターンの一つであった。レンタルでもVHSでしか観ることができない。わたしは幸い、未だにVHSを観ることができる機材を持っているので、借りてきた。まずは、音楽がどのように使われているのかを確かめたかった。冒頭の音楽が素晴らしいのだが、ラストに流れても良さそうな力の入れようで、バランスの悪さを感じた。映画自体は不倫と宗教(信仰と無信仰)を題材にしたラブストーリーである。

この映画で特出されるのは、その舞台、カリフォル二アの海岸である。そして、その海岸に突出するように建設された住宅に目が行った。住宅は木造で、岩を基礎として建ち、全面に広がる広大な海を独り占めしている。こうした建築はその美しい海岸を壊しているとみることもできるが、住宅のスケールなので、許せる範囲なのではないか。

この映画をみたのは音楽のためであった。エリザベス・テイラーが出演するが、残念ながらそのシナリオと彼女の熱演はうまくかみ合っていず、破綻しているように感じた。同じラブストーリーでも、たとえば『ひまわり』の方がより成功していると思われるが、こうしたラブストーリーはわたしは苦手である。

吹奏楽でこの映画のテーマ曲をやりたいと思っているが、この映画を観たことのあるものは相当のシネフィル以外、少ないに違いない。実は『いそしぎ』の意味をよくわからなかったのだが、これは鳥の名前である。海岸に生息するシギで、この映画の中で重要な役割を果たしている。ただ、カリフォルニアには「いそしぎ」は生息していず、「ハマシギ」なら生息するらしいが、映画の題名が「ハマシギ」では、記憶に残るようなタイトルにはならなかったと思う。そのことを知った上で、「いそしぎ」と訳したのかもしれない。

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by kurarc | 2018-04-22 08:46 | cinema