映画『グッドモーニング・バビロン』

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ヴィットリオ・タヴィアーニ追悼を兼ねて、映画『グッドモーニング・バビロン』を観る。この映画をなんでもっと早く観なかったのだろうと悔やまれるくらいの力作であった。建築修復を手がけるアルチザン一家の物語。父とその子供たち、7人兄弟の6人目と7人目の末っ子の数奇な運命の物語である。

映画では映画監督D.W.グリフィスを登場させているように、グリフィスとグリフィス率いるハリウッドへのオマージュ(少しの皮肉を込めて)も含まれる。つまり、「映画内映画」である一方、アルチザンの物語を重ね合わせているが、それだけではない。愛(兄弟愛)あり、悲しみあり、別れあり、涙と死(第一次大戦)が描かれる映画である。

映画の中で登場するグリフィスの映画『イントレランス』をわたしはまだ観ていない。この映画を観たものは、必見であろう。そして、グリフィスが嫉妬したというイタリア映画『カビリア』も。

兄弟のアンドレアを演じたジョアキム・デ・アルメイダはポルトガル、リスボン出身の俳優。少し冷静でおとなしげな青年を見事に演じていた。このあたりの配役も光っている。そして、脚本協力はトニーノ・グェッラ。言うことはない。

次は、『太陽は夜も輝く』を観るしかない。

by kurarc | 2018-04-23 22:13 | cinema