映画『海洋天堂』

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ブログは最近、映画紹介に偏ってきたが、それはよい映画に巡り会っているということであり、ご容赦いただきたい。

映画『海洋天堂』は自閉症児とその父が死ぬまでの物語である。監督のシュエ・シャオルー(女性監督)は、14年の間にわたる自閉症児に対するボランティア活動から、この映画の脚本を書き、自ら映画監督としてメガホンをとることになった。

中国での自閉症児は、1980年代の一人っ子政策での子供が多いという。一人っ子は、将来親が死んでいくとき、どのような道を歩まねばならないか、さらにその子供が自閉症であった場合、どのような運命に遭遇するのか?シュエ・シャオルーはそのような現実に起こりえる社会状況を踏まえて、この映画をつくろうとしたらしい。

主演で父親役のジェット・リーとその子で自閉症児を演じたウェン・ジャンの熱演がひかる。今回は脇役としてグイ・ルンメイがスパイスを効かせてくれている。

障害者を扱った映画はいまだに数は少ないと思うが、この映画は障害者の子を持つ親がみたら、きっと共感できる映画になっているに違いない。この映画が優れているところは、障害者に対し、感情に流されるのではなく、時にはユーモアを交え、あくまで映画作品として表現している点だと思う。ドキュメンタリーのような手法は徹底的に排除されているのがよい。

父を熱演したジェット・リーは現在病に伏し、仕事から遠ざかっているという。こうした優れた映画に出演したジェット・リーには早く回復してもらい、再びよい映画作品で出会いたいものである。

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by kurarc | 2018-09-25 00:14 | cinema