『BUILDING THE ESCORIAL』 ジョージ・クブラー著


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久しぶりにアマゾンで洋書(古本)を購入した。イギリスからおよそ1週間で届いたが、その古書を見て驚いた。どうも、大学の図書館から盗まれたものらしく、ロンドンの"BIRKBECK COLLEGE LIBRARY"の印が押してあった。アマゾンも気をつけてほしいものである。

今年、ジョージ・クブラーの翻訳本が出版された。日本では多分初めてのことではないだろうか。クブラーは中南米美術の研究者であり、その関連で、スペインやポルトガルの美術、建築に造詣が深い。

エル・エスコリアルを訪ねたのは、ポルトガル滞在中の1999年であった。マドリードから列車で1時間ほどであったと記憶している。エスコリアル宮という特殊な建築を見学するためだが、その当時、この建築とポルトガルの建築との関連性などは考える力もなかった。しかし、このエレーラによる建築が、スペインで無装飾様式と呼ばれ、同時代のポルトガル建築の無装飾性とどのように関連しているのかは、クブラーにとって重要なテーマであったに違いない。スペインとポルトガルの影響下にある中南米を研究するためには、必然的にイベリア半島全体の文化の探求が不可欠になることは言うまでもない。

スペインにおける無装飾様式というテーマを研究するものが日本にいるのかどうかは知らないが、興味深いテーマである。それは、機能主義、合理主義建築の発端を考えるときに重要であるから。クブラーは両国の無装飾様式、スペイン(ディスオルナメンタード)とポルトガル(エスティロ・シャオン)の文化的差異についてどうも本書で結論づけている。そこが知りたかったのである。



by kurarc | 2018-11-20 23:40 | books