リリー・ライヒ ミースの影に隠れた女性建築家

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昨年はアイリーン・グレイという女性建築家が話題になった。映画にもなり、コルビュジェとの確執も生々しく描かれていた。岸和郎氏の著作『デッドエンド・モダニズム』には、そのグレイと、もう一人、リリー・ライヒについて書かれている章がある。

リリー・ライヒについてはわたしも詳しいことはわからないし、調べてみたこともない。ミースの協働者であり、特にミースの建築のインテリアに携わった女性デザイナー、建築家である。

岸氏の指摘では、ミースの影に隠れ、忘れ去られた建築家であったが、1996年のMOMAで彼女のカタログ(上写真)が出版され、その全体像が見えてきたという。どうも、ミースの建築の「センシャル」な部分を彼女が補っていたのではないか・・・

数多くの建築をつくる建築家たちは、所員を数多くかかえ、その中でコンペティションなども行い、優秀な案を選択して、所長の名前で発表することは珍しいことではない。わたしはそうしたやり方に賛同するものではないが、自分とは異なる感性をもつような建築案を取り入れ、全く新しい建築をつくっていくという行為自体は肯定的に考えている。

ミースの代表作と言われている様々な建築に特有な生々しい素材感は、もしかしたら、リリー・ライヒの感性から生み出されたものが数多くあったのではないか・・・来年は、リリー・ライヒが日本のメディアの中で数多く取り上げられる気がする。

*あの名作、ファンスワース邸のカーテンは、シルクシャンタンが使われているという。こうした選択も、ライヒが関わった(この建築が竣工した時点で、ライヒは亡くなっていたが、彼女の感性を継承したという可能性)可能性が高いのではないか?どう考えても、ミースが選択したとは想像できない。

*ライヒのカタログはインターネット上でpdfとしてダウンロードできる。

by kurarc | 2018-12-13 20:28 | architects