映画サウンドトラック その2

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映画音楽を意識し始めたのはいつ頃だったのか。それはわたしが特に映画をはじめて特別なものと意識した頃と重なる。

それはアンゲオロプロス監督の『シテール島への船出』という映画の音楽を担当したエレニ・カラインドルーの音楽(写真中央)であったと思う。1980年代中頃に観た映画である。この映画では音楽と俳優の動きを一致させるような演出がとられていたが、そのことが全く不自然でなく、また、滑稽でもなく調和していたことが驚きであった。

その次は、映画『夏の庭』であったかもしれない。音楽(ギター曲)を担当したアサド兄弟のファンであったからである。彼らが日本の映画音楽を担当してくれたことが信じられなかったし、また、そのコンサートをカザルスホールで体験できたことも忘れられない。

このあたりから映画音楽はわたしの中で映画を観る吸引力になったことは事実だろう。モリコーネの映画『ニュー・シネマ・パラダイス』などへの楽曲は古典となったし、アンゲロプロスの映画音楽を意識した頃とピアソラの音楽の出会い(アサド兄弟の演奏による)は同じ頃であったから、ピアソラの映画音楽もわたしの中で忘れられないものとなった。

よい映画とよい映画音楽は必ずセットになっている。映画がよいが音楽はダメということはまずあり得ない。それは音楽だけでない。シナリオから俳優、映画の色彩からモード、そのすべてが総合されたとき、映画は古典となるのである。ミュージカル映画『シェルブールの雨傘』はその最も完成した映画形の一つだろう。

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by kurarc | 2018-12-23 12:09 | cinema