Archiscape


 倉澤智建築デザイン事務所 
by 倉澤智
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

エッフェル塔 130周年

エッフェル塔 130周年_b0074416_12400722.jpg

ロラン・バルトの『エッフェル塔』を読んで、エッフェルの業績について無知だったことに気づき、早速、3、4冊のエッフェル塔関連の書物をそろえた。その中でも、手軽に読めるものに、倉田保雄氏の『エッフェル塔ものがたり』(岩波新書)という名著がある。この一冊を読むだけで、エッフェル塔についての文化史がおよそ把握できる。

この著書によって、地上およそ300メートルの高さのエッフェル塔を19世紀末に建設することがいかに困難な仕事であったのか、また、エッフェルという建築家であり技術者、研究者がいかに優れた人物であったのかについてもよく理解できた。

エッフェルはエッフェル塔を建設する以前に鉄(錬鉄)の橋の建設により技術(圧搾技術や水力機械の技術とその応用)の蓄積があったことが、エッフェル塔を建設する上での礎になり、バルトに「立った橋」と形容されたエッフェル塔を平均およそ200人という少人数の熟練労働者に建設させた。竣工までに労働者が死亡するような事故もなく、「鉄の魔術師」としての本領を発揮することに成功したのである。

しかし、一方様々な困難も当然存在した。まずは若くして妻を亡くしたこと(5人の子供が残された)、エッフェル塔建設時に労働者のストライキに遭っていること、知識人たちからのエッフェル塔に対する批判etc.あげればきりがないくらいである。そうした困難を乗り越え、エッフェル塔が竣工した折には労働者をねぎらうことを忘れず、かつてストライキを起こした労働者たちは涙を流しながら竣工をエッフェルとともに喜んだという。

エッフェルの家系はドイツ系フランス人である。純粋なフランス人など存在しないと思われるが、こうした緻密な仕事を成し遂げたのは、ドイツ系という血筋も一役かっているのかもしれない。エッフェルの業績はエッフェル塔だけではもちろんない。正月休みを利用して、調べてみたいと思っている。

2019年3月31日、エッフェル塔は竣工130年を迎えることになるから、パリではなんらかの催しがあるに違いない。

*エッフェルの血筋は、ドイツ領アルデンヌ地方に住んでいたジャン・ルネ・ベニックハウゼン(エッフェルの曾祖父)がパリに移住してきたことからはじまる。1711年に結婚したおりに、エッフェル-ベニックハウゼンと改名。エッフェルとはアルデンヌ地方の丘陵の名前「Eifel 」。これをフランス風に「Eiffel」としたのだと言われている。(『エッフェル塔ものがたり』より)

エッフェル塔 130周年_b0074416_12401537.jpg


by kurarc | 2018-12-31 12:37 | France(フランス)
<< 謹賀新年 2019 名作でなく傑作 映画『SWIN... >>


検索
最新の記事
カテゴリ
Notes
*このサイト"Archiscape"は、倉澤智建築デザイン事務所のHP+blogです。

カテゴリ上部16項目までがHPの内容として、弊社の概要、仕事の進め方、設計監理料、仕事の代表事例に関するカテゴリとなっています。それ以降がblogのカテゴリとなっています。 

事務所連絡先
営業時間:
月〜金 9:00〜19:00
Tel & Fax:
0422-48-7515
Mail:
kurarc@xd6.so-net.ne.jp

打合せスペース
三鷹産業プラザ2F
地域情報センター内
三鷹市下連雀3-38-4

打合せ、営業等の対応はすべて三鷹産業プラザにて行っております。打合せスペースを予約する関係上、あらかじめ電話連絡していただき、日時を決定した上でお越し下さるようお願いいたします。

*このHP+blogを閲覧し、また最初のページに戻る場合は、カテゴリの「全体」をクリックしていただくか、画面最後の数字の「1」をクリックしていただきますと、最初のページに戻ることができます。

*ライフログで紹介しています映画『こおろぎ』(鈴木京香+山崎努共演、青山真治監督)は、南伊豆MT-House(杉小舎)が撮影舞台として使用されています。映画内でこの住宅+コテージを見ることができます。

*カテゴリarchives1984-1985では、1984年から1985年にかけて行った11ヶ月の旅(グランドツアー)について紹介しています。画像は36年程前のスライドをデジタル化しているため、かなり劣化しています。

*カテゴリfragmentでは、思考のヒント、覚書き、イメージ等、言葉の断片を記録しています。
ライフログ
以前の記事
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月