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月 17世紀 ケプラーの『夢』

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映画『FIRST MAN』を観て、「月」について忘れかけていたことに気づかされた。

2013年12月14日、中国の月着陸探査機「チアンヤ3号」が月着陸に成功しているというが、こうした報道について、わたし自身まったく記憶はない。また、NASAは「月面史跡保護ガイドライン」をすでに定めていて、月面のアポロ着陸地点を歴史的遺産と定め、立ち入りを禁止するという指針だという。メキシコ国境に壁をつくるなどと騒いでいる間に、アメリカは宇宙へのフロンティア拡張を着々と進めているのである。(『世界はなぜ月をめざすのか』佐伯和人著より)

ユートピア物語が海上を舞台とした航海者の漂流譚を発端にもつ(花田清輝)ことから宇宙へと拡張されたのが17世紀である。ティコ・ブラーエの天体観測データと天体運動の整合性を検討したケプラーが、天体運動を円運動から楕円運動であることを導き、地動説は自明のものとなった。ケプラーは『夢』という月旅行の空想科学小説を著し、同時代のミルトン『失楽園』にも影響を与えたという。

20世紀が16世紀、ルネッサンスからマニエリスムに対応するとすると、21世紀は17世紀、ケプラーやスピノザの世紀と対応するのではないか、と勝手に思っている。18世紀が啓蒙主義の時代とするならば、17世紀は一言でなんといえばよいのか(人口に膾炙されたことばとしては、「バロック」だろうか)、わたしにはわからないが、ケプラーのような独創的、先駆的な研究が行われ、次の世紀にその成果が結実していくという過度的な時代であり、21世紀も22世紀にその成果が結実するような時間になるのでは。宇宙(極大)とiPS細胞(極小)のような二つの流れ、つまり円から楕円のように二つの中心が、あるとき一つに結びつくのが22世紀であるのではないか。

それにしても、今年は「月」(あるいは宇宙)についても学習することにしたい。

*日本では現在興味のある井原西鶴や近松門左衛門、関孝和(数学者)も17世紀人である。



by kurarc | 2019-02-20 23:13 | nature