人気ブログランキング |

映画『くりびるに歌を』と鉄川与助の教会建築

b0074416_22125879.jpg

映画『くちびるに歌を』(三木孝浩監督)を鑑賞。わたしは10代、特に中学生や高校生を俳優とした青春映画が好きである。すでに忘れそうになってしまった10代を思い出すことができるし、若い俳優たちの演技が好きだからである。

舞台は五島列島の福江島である。まず、この島のランドスケープの美しさに引き込まれた。起伏のある地形、坂道、そして、海を望み、その中に佇む美しい教会の姿。この教会は鉄川与助設計の水ノ浦教会(下写真)であることをあとで知った。わたしの手元にある『鉄川与助の教会建築 五島列島を訪ねて』の中には掲載されていない教会であった。鉄川の最晩年の仕事である。

五島列島での中学生たちが合唱コンクールを目指す物語だが、その先生役には新垣結衣が演じる。彼女は憎たらしい教師を演じていて、かわいらしい様子は一切みせないという役柄であり、なかなかの名演技であった。

それにしても、たびたび登場する鉄川の教会建築の美しさに心が奪われてしまった。真っ白い色彩と、小さな尖塔が海に面するロケ地、岐宿町と見事に調和している。隠れキリシタンの島として有名な五島列島は一度訪ねてみたいと思っていたが、この映画を観て、その思いはますます膨らんだ。

三木監督の丁寧な映画の作り込みにも感心した。音楽をテーマとした映画は数多くあるが、その中でも映画『スウィング・ガール』のようなユーモアのある作品と異なり、真摯な物語に仕上がっている。三木監督の映画はこれが初めてだが、他の作品も観たいと思わされた。

b0074416_22143368.jpeg

by kurarc | 2019-02-23 22:08 | cinema