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完本 檀流クッキング

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檀一雄の小説を読んだこともあり、檀の著作が気になった。その中で、『完本 檀流クッキング』という著作が目についた。文庫本の『檀流クッキング』は我が家の台所に常備しているが、「完本・・・」とはどのような内容なのか?

これは、「檀流クッキング」を檀一雄の長男夫妻である、檀太郎さんと晴子さんが料理をすべて再現し、後半にはその料理写真が掲載されたもので、さらに、檀家の定番であったビーツサラダのレシピを加えたものであった。

わたしが『檀流クッキング』に興味をもったのは、もちろん、レシピの多彩さ、奥深さもあるが、ポルトガルの干ダラをつかったコロッケ、パスティシュ・デ・バカリャウのレシピが掲載されていたからであった。檀一雄は「干ダラのコロッケ」として紹介している。

干ダラの料理などというと、おいしい魚を食べなれている日本人の中にはバカにする人もたまに見かける。あんなものは魚ではない、などと言って。しかし、檀の本にはこの干ダラ(棒タラ)が、かつて、日本の農家ではお中元の贈り物の定番であったことが書かれている。日本の食文化の中になじんでいた食材なのである。(しかし、檀の本のなかでも、特に棒ダラはすでに手に入りづらい食材として記述されている。干ダラ(棒タラ)は戦前、山深い農家などの貴重なタンパク源であったに違いない)

後半に掲載された「干ダラのコロッケ」の写真を見てみたが、ポルトガルで食べていたものとはかたちが異なるが、味は檀がポルトガルで教えられたものであるから、おいしいはずである。

わたしがもし料理屋をやるとしたら、メニューの中に、この檀一雄のメニューの何品かがかならず食べられるようにすることだろう。まずは、ビーツサラダをつくってみたくなった。

by kurarc | 2019-04-26 20:44 | books