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『すごいジャズには理由がある 音楽学者とジャズピアニストの対話』岡田暁生、フィリップ・ストレンジ著

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『すごいジャズには理由がある 音楽学者とジャズピアニストの対話』(岡田暁生、フィリップ・ストレンジ著、アルテスパブリッシング)を一気に読む。仕事が忙しいときほど、皮肉にも本を読みたくなる。最近、再びジャズの学習をはじめたこともあり、この書物はちょうど現在の欲求を満たしてくれる内容であったため、読み進むうちに止まらなくなってしまった。

ジャズに関する本は膨大にあるが、ジャズ評論家がウンチクを語るものか、ミュージシャンによる理論的なものに偏る傾向がある。本書はそのどちらでもなく、理論を語りながら、CDの紹介もあり、歴史もあるといったバランスのよい著書であった。

紹介されるミュージシャンは、アート・テイタムからはじまり、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、オーネット・コールマン、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスという章立てになっていて、その中で、それらのミュージシャンに関係するミュージシャン、理論などが並行して語られるという仕掛けである。

高校生の頃から大学の頃に聴き、それ以後聴かなくなってしまったオーネット・コールマンのジャズは、本書を読んで、再び聴きたくなったし、それぞれ個性的なジャズマンを厳選して紹介してくれているので、再びジャズに挑戦しようとするものにとってはポイントが絞りやすく、読みやすかった。

結論から言うと、ジャズは知的な音楽である、ということ。ただし、紹介されたミュージシャンたちは麻薬に溺れた者たちが多かったことは気になるが、ジャズ的な感性は魅力的であることを再認識できたことは大きかった。現代芸術に親しむようにジャズを楽しめばよいということ、つまり、ジャズは現代人の教養として不可欠であることが本書を読んで確信したことである。

「ジャズとは1分の曲を1分で作曲することである。」 ー ビル・エヴァンス

by kurarc | 2019-05-10 23:36 | books