人気ブログランキング |

子どもという宇宙 童話の世界

b0074416_19405060.jpg

河合隼雄著『子どもの宇宙』(岩波新書)を読んでいる。最近『モモ』という童話を読み始めたこともあり、久しぶりに童話に興味が向き始めた。

童話というと『星の王子さま』がまず思い浮かぶが、これは童話という領域に収まらない名作であることはよく知られている。わたしも佐藤さとる著『だれも知らない小さな国』を中学生時代、読書会で取り上げ、議論したことがある。著者の佐藤氏にも手紙を書き、丁寧な返信をいただいた。

河合氏が「子ども」と「宇宙」という言葉を併記しているように、子どもの世界は大人になるとつい忘れてしまうが、宇宙といえるような広大な世界を子どもたちは感じ、生きている。そのことを河合氏は、「家族」、「秘密」、「動物」、「時空」、「老人」「死」、「異性」というキーワードをもとに、深く掘り下げていく。

興味深いのは、こうした子どもたちの宇宙についての文章を読んでいくと、わたしのようないい歳の大人にとっては、過ぎ去った時間を遡行しているような感覚を味わうことができ、子どもの頃よく理解できなかった出来事を再び経験でき、理解する助けとなる。また、この中で取り上げられる童話も興味深いものばかりで、たとえば、わたしの好きな映画『秘密の花園』の原作を紹介されていて、映画の中だけで完結せず、原作の繊細な描写にも目を向けるべきことに気づかされた。

*この著作にでてきた童話で今後読みたいもの

・E・L・カニグズバーグ 『クローディアの秘密』
・E・L・カニグズバーグ『ジョコンダ夫人の肖像』*レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年である今年、まずはこの童話を読みたい。
・エーリヒ・ケストナー『ふたりのロッテ』
・キャサリン・ストー『マリアンヌの夢』
・フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』etc.


by kurarc | 2019-06-27 19:39 | books