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ジョアン・ジルベルト ボサノヴァの死

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今年初め、中古クラシックギターを購入し、ジョアン・ジルベルトの完全コピー譜を少しずつ練習していたが、そのジョアン・ジルベルトが88歳で亡くなったという。

随分と前になるが、ボサノヴァをこよなく愛する人たちとお酒を飲んだことがあった。そのとき、ボサノヴァって何か?のような話がでたが、厳密な音楽理論についてはさておき、ある人が、それはジョアン・ジルベルトだ、と言ったのだが、ある意味正しい認識であったように今では思う。ボサノヴァをやっているというミュージシャンは数多くいるが、彼のようなギターと唄は誰にもまねはできない。

彼のコピー譜をギターでトレースしていると、その繊細で知的なコード進行、ハーモニーの感覚、多様なリズムの挿入には驚かされる。彼はかなり初期の段階(1950年代はじめ)でジャズ(ジャズ理論)を学び、その理論を自分の音楽(ブラジル音楽)へ昇華していったのだと思う。

もう一つ、わたしが感じるのは彼のポルトガル性といったような感覚である。彼の音楽はサンバのような身体の運動と結びつくようなものとはほど遠いが、静かなギターと唄にその運動としての音楽を閉じ込め、水平性を感じられる音楽に仕上げていく。それは、ポルトガルのバロックに通じる感覚でもある。波打つような壁をつくることではなく、平面のなかに波を感じられるようにするような。

ギターを通じて、彼の音楽感覚を身についていくことが、当面の課題である。

合掌

by kurarc | 2019-07-07 10:07 | music