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寺尾聡『Reflections』

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歳のせいか懐メロがふと頭をよぎることが多くなった。コマーシャルで寺尾聰さんの「出航SASURAI」が流れるのを聴き、久しぶりにヒットした『Reflections』を聴きたくなった。

ほぼ40年前にもなるこのCDだが、全く古さが感じられない。全曲を寺尾さんが作曲していることにも驚かされる。編曲には井上鑑さんが参加、作詞は松本隆さん、そして大半の作詞を有川正沙子さんという少数の人間によってつくりだされた音楽である。当時ヒットした「ルビーの指輪」が収録されているが、むしろわたしはそれ以外の曲に名曲が多い気がする。

有川さんの詞には「・・・ぜ」という詞が多い。寺尾さんを意識した作詞なのだろうか。「タバコと男」という当時のイメージからつくりだされたのだろうか。今ではタバコは女のものだが、嫌味は感じられない。このCDには決して男と女がハッピーになるシナリオはないが、なぜかその不幸を糧に「出航」していこうとする男の明るさのようなものが感じられるし、マイナーな曲でもジメジメした感覚のない曲調がよい。

寺尾さんの低音の声も大きな特徴だろう。ここに収録された曲を女性がカバーすることもできないのではないか。そうした意味で、このCDは男の音楽になっている。それにしてもこれだけの曲をつくりだす寺尾さんの音楽的背景は何だったのだろう。そのあたりが一番気になるところだろうか。

『Reflections』というタイトルも斬新だ。直訳すれば「反射」だが、それはアルバムの中の文章にもあるが、「過去を映し出している光」のように捉えられている。つまり、経験を十分に積んだ大人の光を表現しようとした、ということらしい。



by kurarc | 2019-08-04 11:53 | music