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建築短編小説

仕事の合間に短編小説を書いている。すでに8編の短編を書いたが、出来の方はテーマによってバラバラである。まあまあと思えるものもあれば、稚拙だと思われるものもある。初めて書いたのだから仕方がないが、ちょっとした時間のアキに小説を書くことは意外と性に合っている。

今日は、書き始めて途中で投げ出していたルネッサンス期の建築家ブルネッレスキに関する短編を仕上げた。一応建築短編小説のようなものになったが、彼が建設に携わったフィレンツェの花のドームが竣工した時、彼はどのように思ったのか、そして、引き続き仕事をするつもりだったランタン(頂塔)の仕事が上手くいかなかったことに、彼はどのように憤慨したのか、そのあたりを短編にしてみたのである。

ロス・キングの評伝によりすっかりブルネッレスキという建築家を尊敬、敬愛するようになったのだが、それだけではない。建築家の運命のようなものを彼に見出したのである。様々なライバルとの闘いや騙し合い、そして誹謗中傷との闘い、役人との確執、同業者の裏切り、仕事での大失敗など建築という仕事に携わるとき遭遇する様々な困難を彼は体験している。そうした困難との闘いを乗り越えていったことに興味をもった。

創造はそうした困難の中での閃光のようなもので、困難に会えば会うほど、その光は強度を増していくのである。彼がフィレンツェの中心に位置するあのドームを遠くから眺めたとき、一体どのような感慨を持ったのか?それは非常に興味深いし、できれば本当のことが知りたいくらいだが、それは望めない。

だから、わたしは短編小説にして、彼の心情を表現しようと思ったのである。

by kurarc | 2019-08-11 21:28 | archi-works