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香港とケンタウロス

香港の暴動はいまだに治る気配を感じさせない。日本では考えられないことだが、香港人の自由への希求は、我々が思う自由とはかけ離れていると思わざるを得ない。それは、何気なくあるものではなく、勝ち取るものなのである。

以前、このブログで紹介したトン・カイチョンの小説『地図集』の中に、「東方の半人半馬」という章がある。ボルヘスの『幻獣辞典』を引用しながら、西洋の半人半馬ケンタウロスは、異質混淆性、つまり、二つの全く混じり合うことのない混淆性であるのに対し、中国神話にはこうした異体併合の幻獣は見当たらないというのである。

一国二制度という大義を掲げながら、すでにほころび始めている香港を見ると、このケンタウロスという幻獣は中国ではなじまない幻獣であることは歴史が示唆している、というような内容にも捉えられる。小説とは実は「小説」などではない、ということがトン・カイチョンの小説を読むとよく理解できる。

翻って日本を考えてみると、わたしはてっきり日本は混血、雑種(hybrid)が難しい国家であるように感じていたが、日本はむしろ中国や韓国他のハイブリッド国家と見たほうが素直である。実は異質混淆性に欠ける国家である。香港の暴動はそうした意味で人ごとではない。もし、日本が将来中国に併合されようとした時、日本人は香港人のような暴動を起こすことができるのだろうか?

by kurarc | 2019-08-13 22:30 | asia