マルセル・カヤト 『LATIN GUITAR』(日本題名)

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ブラジルのクラシックギタリスト、マルセル・カヤト『LATIN GUITAR』は、クラシックギターCDの名盤である。少し前に「忘れえぬ都市」といった内容のブログを書いたが、この名盤も忘れえぬCDの一つと言える。それは、大曲ばかりが納めてあるようなCDではなく、2分弱の小曲が多く、それらの曲を丁寧に弾きこなしているCDだからである。何年かに1回はCD棚の奥から引っ張り出して聴きたくなる。

カヤトさんは、トゥリビオ・サントスに師事したギタリスト。わたしはポルトガル滞在時、ブラジルに行った最大の目的は、このトゥリビオ・サントスさんにお会いしたかったことであった。ヴィラ=ロボス記念館の館長をされていることは知っていたため、リオで早速記念館に向かうが、サントスさんは不在で、残念ながらお会いすることはできなかったが、ヴィラ=ロボスの直筆の楽譜などを職員の方に見せていただく光栄にあずかった。

その後継者とも言えるギタリストがマルセル・カヤトであろう。このCDの中では、ラウロのEL NEGRITO(エル・ネグリート)やバリオスのCHORO DA SAUDADE(追憶のショーロ)やブローウェルのOJOS BRUJOS(魅惑の瞳)といった小品が良い。

エル・ネグリートは、20代の頃よく弾いていたが、今では忘れてしまった。また練習したい曲である。わたしはこのCDではこの曲が一番好きかもしれない。ラウロに男の子が誕生したときにつくった曲のようで、意味は、黒人の子の意だが、髪が黒い子であったことから、こう名付けられたという。わたしにとって「忘れえぬ曲」である。

by kurarc | 2019-08-23 22:16 | music