ジャズを学ぶ 『VOICE OF BLUE』 高内春彦著

大学の先輩にあたるジャズギタリスト、高内春彦氏(女優 松坂慶子さんのご主人)の著書『VOICE OF BLUE』を読み始めた。まだ、2章まで読んだだけだが、それだけで名著であることが判断できた。
まず、第1章を読んで、目からウロコが落ちた。ジョビンやルグランの音楽をデューク・エリントンの音楽と比較しているのである。これは、わたしが無知であっただけなのだが、ジョビン自体、エリントンの音楽から多くの影響を受けているというのである。(ジョビン自身がそのように語っているとのこと)
高内氏はアメリカでジャズを長年学んだこともあり、日本で流通しているジャズの常識とはまったく異なる感性を持っている。まず驚いたのは、アメリカでジャズというとエリントン(+ビリー・ストレイホーン)だということ。また、本書の冒頭に「ジャズとは練り歩き(マーチング)の音楽・・・」と言ったことが何気なく語られているが、こうした感性、知識はアメリカで学んだ高内氏ならではの言葉だろう。
また、本書が名著なのは、単なる知識の見せびらかしではなく、理論を説明してくれていること。これはかなり高度な解説だが、現在のわたしの興味にちょうど合致していてありがたい。
現在、日本で活躍されているようなので、近いうちにライブに行き、高内氏の音楽を堪能したいと思っている。
by kurarc | 2019-09-13 23:19 | books(本(文庫・新書)・メディア)