檀一雄の絵画

柳川の白秋記念館で『檀一雄の柳川』という小冊子が販売されていたので、購入した。檀一雄生誕百年記念に出版された小冊子であり、そのとき、柳川の掘割沿いに石碑も建設されたようで、わたしも小舟での川下りの折に、その石碑に遭遇した。

この小冊子の中に、檀一雄の絵画が一枚掲載されていた。檀が19歳のとき描いた自画像である。檀一雄が福岡高等学校在学中、1年間の停学処分を受けたとき、祖父の経営する風呂屋の鏡の前で描いた自画像だという。

この絵画、なかなかの出来栄えであり、檀が画家を志そうと思っていた、ということもうなずける。この自画像についての一文が、同時に掲載されているのだが、その中に、この絵画の色彩が、この絵画を描いた40年後に訪れたポルトガル、エリセイラという街の建物の装飾 (多分、外壁のタイル)と似ているのでびっくりした、ということが書かれている。

以前、わたしはこのブログで「忘れえぬ街」について書いたとき、ポルトガルで名前は忘れてしまったが、心に残っている街のことを書いたが、もしかしたら、このエリセイラ(あるいはエリセイラ近郊)ではなかったか、とふと思った。マフラという巨大な修道院がある街の海沿いの街で、マフラを訪ねたついでに訪ねたような記憶が蘇ってきたのである。

九州、柳川という土地柄もあったと思うが、ポルトガル調の色彩のタイルが風呂屋に偶然貼られていた。そして、それは檀一雄の未来を予言していた色彩であった?と考えると興味深い。

*そういえば、以前、南伊豆伊浜という海沿いの街の宿に泊まったとき、檀一雄のサインが飾ってあり、驚いたことがある。(この宿、検索すると出てくるが、めぐみ荘という宿のようだ。)

by kurarc | 2019-10-11 22:09 | 九州ーKyushu