ヴィスコンティ 映画『白夜』 

ヴィスコンティ 映画『白夜』 _b0074416_23015466.jpeg

ヴィスコンティの映画『白夜』を観る。DVDは買っていたが、ずっと観ることを逃していた。この手のDVD は現在安く手に入るのでありがたい。

以前、ロベール・ブレッソンの映画『白夜』を観たが、こちらとどのように異なる表現になっているのか興味があった。ブレッソンは舞台をパリに選定していた。ヴィスコンティは運河のある架空の都市を舞台としていた。それもすべてセットでつくられたものであるという。その遠近感のあるセットが素晴らしい出来であり、セットにはどうみても見えない。日本のように木造建築のセットであればすぐに組み立てられるが、ヨーロッパのように石造り、レンガ造りのセットは相当時間がかかるのではないだろうか。

ヴィスコンティの『白夜』はイタリア人らしく、ブレッソンのものよりわかりやすい表現になっていた。わたしが関心したのは、主人公の背後に何気なく登場する通行人や酔っ払い、職人や浮浪者、犬などの動きである。ヴィスコンティはこうした背景まで見事につくりこんでいるのがわかる。

孤独な青年を演じたマストロヤンニは、この映画が転機となって、のちにフェリーニの『甘い生活』で一躍名声を獲得する。妄想から逃れられない少女を演じるマリア・シェルの熱演も光っていた。ニーノ・ロータの音楽も抑制の効いた素晴らしい音楽であり、映画と見事に調和していた。

ヴィスコンティの映画の中ではあまり取り上げられない映画にも思えるが、バランスのとれた名画といえるのではないだろうか。ブレッソンのものもかなり前に観ているので、記憶が定かではない。改めてもう一度観て、比較したいと思っている。



by kurarc | 2019-10-13 23:00 | cinema(映画)