ドビュッシー 『沈める寺』

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青柳いづみこ著『ドビュッシーとの散歩』の中に、ドビュッシーの『沈める寺』に関する文章がある。

ドビュッシーがこの曲を作曲したのは、パリの語源となっている「イス」(Par-Is イスを超えるの意)という街の伝説を知ったことがきっかけだという。(これはあくまで伝説)ブルターニュの海辺の街「イス」は、4、5世紀頃、悪魔にそそのかされた王女が水門を開けたため、海に沈んだという伝説である。この街には巨大なカテドラルがそびえていた。海に沈んだ後も、海中から僧侶の声と鐘の音が聴こえてくるという伝説だそうだ。

この曲の原題 "La cathedrale engloutie" (正確には、この後に、"Profondement calme"がつく)を直訳すると「沈んだカテドラル」、あるいは「消滅したカテドラル」である。現在でも「沈める寺」として流通しているのは何故なのだろう?多分、お偉い方がこのように訳されたのだろう。それを現代的に変えるようとする人はいないのかもしれない。

青柳氏によれば、楽譜を見ると、様々な教会のアーチが組み込まれているのだという。このあたりも、ドビュッシーらしい。そうした独創的な手法をとりながら、一方で様々なハーモニーとスケールを組み込んでいるに違いない。7分弱のピアノ曲だが、モダンな音づかいは素人のわたしでもよく理解できる。こうした短い曲から自分でアナライズできるようになりたいと思う。

by kurarc | 2019-10-14 23:15 | music(音楽)