建築家吉田鉄郎の展示会

吉田鉄郎、と聞いてあの建築を設計した人と思い浮かべることができる人は相当の建築フリークだろう。東京住まいの人間にとっては東京駅脇に建つ旧東京中央郵便局((現在KITTE)が最も著名な建築だろう。11月1日から、国立近現代建築資料館で、『吉田鉄郎の近代 モダニズムと伝統の架け橋』と題された吉田鉄郎の展示会が開催されるという。これは必見である。

吉田は典型的な旧制高校出身の秀才建築家と言えるだろう。彼の出身地は少し前に訪れた富山県高岡のずっと南の山奥である。吉田は設計力も優れていたが、ドイツ語で日本の建築に関する著作を著すなど、語学力にもたけていた。わたしが修士論文で取り上げたブルーノ・タウトも日本の建築家の中で吉田を最も高く評価した。

わたしも逓信省時代の建築は知っているが、彼の仕事の全貌については把握していない。この機会にこの展示会で彼の業績を改めて学習したいと思う。

吉田は長生きはしなかった。1956年に62歳の若さで亡くなっているが、あと10年長生きしたならば、日本の建築界を変えるだけの仕事を成し遂げたのではないか。それも、その当時は気付かれずに、後になってわかるような仕事を。

*こうした展示会は残念ながら東京近郊住まいの人間でしか楽しむことはできない。その辺りが東京住まいのメリットだと言える。地方に住むことは、こうした企画を楽しめないことになる。財力と時間がある人は別だが、地方に住む場合はまた別のメリットがあるということを謳歌すべきなのだろう。

by kurarc | 2019-10-28 19:55 | architects(建築家たち)