澁澤龍彦と花田清輝

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仕事で本郷に行った帰り、東大赤門前の大山堂書店(古書店)に立ち寄り、澁澤龍彦著『貝殻と頭蓋骨』(平凡社ライブラリー)を購入。

この中に、澁澤の花田清輝に関する文章を見つけた。(澁澤が花田に言及しているのを目次で知って購入したのだが)澁澤はこの文章の中で、文章を一目見ただけで誰だかわかるような作家が少なくなったことを指摘し、石川淳と花田清輝ぐらいしか思い当たらないということを書いている。

それとは別に、澁澤は花田について興味深い指摘を行っている。澁澤は花田文学の重要な要素は、アレゴリーと寓話の精神である、と言っている。花田が、博物誌や童話、ユートピア文学や変形譚、御伽草紙の愛好家で、花田の作品には、その題名に動物の名前がついているものが多いというのである。花田が、中世やルネッサンス文化に関心を寄せるのもこうした背景があるのではないかと指摘している。

わたしも花田のファンの一人であるが、作品タイトルに動物の名前が多いという澁澤の指摘には気づいていなかった。澁澤に花田を理解するヒント、手がかりを与えてもらえた。今後、もう少し花田を理解できるようになるのかもしれない。来年は、新たな気持ちで、また花田の論考に目を通すことにしたい。

*古書店もピンからキリまであるが、赤門前の大山堂書店は、その書物の配列から本棚の整理整頓などが行き届いていて、思わず入りたくなる古書店である。

by kurarc | 2019-12-13 21:15 | books(書物・本・メディア)